◇排気ブレーキ連動出力取出し その2◇


※警告※
今回の作業内容について、非常におすすめ出来ない手法を用いています。
作業に不手際があった場合、不具合発生時にはECUユニットの故障により走行不能になる可能性があります。
決して軽い気持ちで真似をすることの無いようお願いします。


さて、「その1」で排気ブレーキバルブの電気制御を探ってみました。
結論として、決して簡単な制御ではないということが判明しています。
そうなるとどうやって出力を取るかを悩まないといけません。
ただの自動車用リレーを接続するわけにもいかず…。非常に悩ましものでした。


…で、電気部品関係のカタログやら通販サイトやらを物色して、ちょっとよさげなリレーを発見したのでこんなテスト基盤を組んでみました。
詳しいことは記載しませんが、なんでも「プリント盤用リレー」という代物で、
コイルの消費電流が比較的小さくDC24V〜30Vくらいまで耐えられるというものです。電圧変動する車にはもってこい…かな?(笑
そのリレーの他に、ヒューズとダイオード、端子台を組み合わせただけのものですが…(笑


早速、前回排気バルブ電圧を測定するために用意したケーブルに仮接続してどうなるか実験してみました。
浅い箱に入れた状態にしてセンターコンソールにのせて…。

まずは停車中にエンジン始動、コールドスタートのON・OFFで動作を確認…。
…ちゃんとカチカチとリレーが作動する音がしてOK、エンジンチェックランプの点灯もなし。
「な〜んだ、意外と省電力リレーとダイオード組み合わせるだけでなんとかなるんじゃね?」
…とか考えながら実際に走行してみる事に。

走行しながら排気ブレーキを作動、リレーの作動音がしてよしよし…。
と思っていたら、だいたい走り始めて50qくらいだったでしょうか、
数十回目の排気ブレーキ作動時にエンジンチェックランプが点灯してしまいました…。
エンジンや排気ブレーキ動作がおかしくなるとかいうことはなかったのですが、
エラーが出るということはダメな訳です… うーん…(
チェックランプ点灯直後、速攻で排気ブレーキをOFFにして配線は切り離したのが良かったのか悪影響はなかったようで、
エンジン再始動でチェックランプ点灯状態は解除、その後の排気ブレーキの動作は問題ありませんでした。
まずはほっと一安心。 …いじっている場所が場所なので無茶苦茶神経使います…(苦笑


しかし… プリント基板用の小消費電流のリレーでもNGとなってしまったので、
純正バルブの出力線からそのまま動力を得ることは不可能という結論に…。
根本的な考え方から練り直す必要が出てきました。
…巷ではこういったタイプの車で排気ブレーキ音キットを取り付ける場合、
排気ブレーキ作動時に点灯消灯するランプの光を光センサーで検出する専用ユニットを使用するようですが、
排気バルブの動作とランプが連動しないタイプの車では使えません。

数日間、どうするべきか悶々とする日々が続きましたが、
ふと、仕事で電気トラブルの発生した機械を修理している際に、
「電圧を測定するセンサーのようなものを利用して、
 バルブにかかっている電圧の変化を読み取ってリレーを作動させれば良いんでね?」
という考えが浮かびました。 …仕事しろよ、って言われそうですが(爆

ですが、この方法だとマイコンやらICチップやらプログラミング、
はたまた多方面への知識と経験がないと物ができそうにありません。
思いついたは良いものの自分はまったくそういった知識はありません(苦笑
でも何かないかとあれこれ物色して見ることに…。


某ネット通販サイトを見ていたら何やら怪しげな中国製基盤を発見しました。
しかも、ちょうど目的に見合った機能がついている! …そんなわけで試しに購入してみました(笑
上の写真の赤いほうがその中国製基盤です。 
…中国だから赤、と言う訳ではないようです(笑
電源を接続して電圧計測端子に電圧測定したい線を接続すると電圧を測定、
パラメーター設定で青いリレーを任意の電圧になったときに作動させる、という代物です。
測定対象はDC電流しか測れませんが、トラックはDC電源なので何も問題ありません(笑
ただし、電子部品なので動作させるには仕様電圧±10%の電源が必要なのですが、
トラックの電源電圧はDC26〜30V程度と大きく変動するので
赤基盤の電源端子へ車両電源をそのまま接続したのではたぶん壊れます(笑

そんなわけで、左の緑基盤をテスト用に購入… 組み立てキットではありましたが取説通りに組立ました(笑
要は降圧型DC-DCコンバーター(通称:デコデコ)を小さくしたようなもので、
つまみを回せばDC5〜30Vの電源から任意の電圧電源に変換出来ます。
欠点は入力電圧以上に昇圧させることができないのと、消費電流の大きなものは接続できません。
…が、電子部品程度のものなら問題ないと見てます。

 
で、適当にテストベンチっぽいの(笑)を作って動作チェック。
今回、赤基盤は入力電圧DC12V仕様を購入しています。緑の基盤に電源電圧DC28Vを入力し、出力をDC12Vに変換…。
電源電圧を操作して電源をDC22V程度まで下げても出力のDC12Vを保っているかを確認… などなど。
赤基盤への入力が変動すると故障や寿命低下につながるだけでなく
車両側への不具合を併発するかもしれないのでよ〜く確認しておきます。

とりあえず安心できる状態になったのでシガーソケットから電源を取るように改良して車両接続テストを行いました。
…が、赤基盤の電圧測定端子に純正排気バルブ線を2本とも接続すると速攻でエンジンチェックランプ点灯… そのまま接続するとNGでした(汗
あれこれ接続を試した結果、測定端子の+側のみ接続すればOKということが判明したのでそれでいくようにしました。
あとはそのままリレーが思うように動作するようパラメーターを設定、軽く動作確認をしておきます…。

 
「こうすれば行けそう…」という接続方法が分かったので、少しだけテストベンチ(笑)に手を加えてしばらく車載走行テスト実施。
測定端子への線にスイッチを1個つけただけですが、走行中に「やべっ」ってなってもすぐスイッチを切れば純正排気バルブ線との接続をカットできるようにしました。
最初のテストのときはそのままギボシ端子で接続していたので固くて抜きづらくて…(苦笑

右の写真は実際に動作している状態。緑基盤のセグメント表示は出力電圧を常に表示しています。
赤基盤は測定端子の電圧を表示しており、基板上のボタンをしばらく触らず放置すると消灯します。地味に省エネ設計です(笑

なにはともあれこのまましばらく走行してみることにしました。
結果は次ページにて…。


〜その3へ〜


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