◇排気ブレーキ連動出力取出し その1◇


※警告※
今回の作業内容について、非常におすすめ出来ない手法を用いています。
作業に不手際があった場合、不具合発生時にはECUユニットの故障により走行不能になる可能性があります。
決して軽い気持ちで真似をすることの無いようお願いします。


 
さて、前回こんなエアータンクユニットを作成して搭載しました。(詳細は前回のレポートを参照願います)
少々わかりづらい位置にありますが、排気ブレーキ音キット(通称「キシューンバルブ」)を組み込んでいます。
これを組んだ後、とあるイベントに参加してきましたがその時は間に合わせで、
「手元のスイッチをONにした状態で、ブレーキを踏んで離すと鳴るように」という感じで配線しました。
…違和感バリバリでした(苦笑

…やっぱり排気ブレーキと連動させて音を出したいですね(
そんな訳で純正の排気ブレーキバルブから配線を持ってくることにしました。
ただ、何の予備知識もなしにいきなり配線を加工して接続するのは危険だと判断したので、
この車の排気バルブがどういった配線になっているかを確認すべく配線図をもらうことにしました。

…この時点では「どうせリレー使ってるんでしょ?」と思って侮っていましたが…(


数日後、排気バルブ関係が載っている配線図を入手しました。
このエルフの「4HL1」型エンジンはECUとVIMなる2つのユニットで制御されてるのねー、
とか考えながら「エキゾーストブレーキソレノイドバルブ」を探してみます…。


で、排気ブレーキバルブ関係の配線のみ抽出して簡略化したものが上図。
CADで簡単にまとめてみましたが実際の配線は若干異なりますのであしからず(
配線図を紐解いた感じ、どうやら純正の排気バルブは低電流型ソレノイドを使用しているタイプのようで、
ECU/VIMから直接接続による制御を行っていました。
一方、「キシューンキット」のバルブはふそうの旧大型トラックの純正バルブ同等品と言われているので消費電流はそれなりにあるはずです。
…つまり、
「排気バルブにつながっている線を分岐させて直接続するわけにはいかない」
という事になります。
下手な接続をするとECU/VIMユニットを破壊し、高額修理となるだけでなく
最悪は不動になる恐れもあります。
最低でもリレーと整流ダイオードを駆使して接続する必要がありますが…これは難しいぞ…?

 
なにはともあれ、まずは排気バルブがどこにあるのかを確認…。点検口を開けてみたところ、上図の矢印のあたりにバルブがありました。
標準キャブ車ならキャブチルトすれば良いんでしょうけど、Wキャブ車は上から下から…大変です(苦笑

とりあえずバルブが確認できたので、接続されている電線2本に少々細工を施して、
「A」、「B」、「ボディアース」の関係を電圧測定にて調べることに。
念のためバルブが作動するコールドスタートON時と、走行中の排気ブレーキ作動時も比較しました。
(※走行中は一人では確認できないので上田某所の専務にご協力をいただきました!感謝です!)


まずはキーOFFの状態。エンジンも動いてないし、キーも回してない状態です。
@〜Bいずれも0Vで電圧無しでした。まぁ当然といえば当然ですね(


続いてキーON、およびエンジン回転中の状態。ここでちょっと想像していなかった動作に…。
ボディアースと比較測定してみたところアース対「A」、アース対「B」の双方に電圧がかかっている状態になっていました。
「A」対「B」の電圧差は0Vなのでバルブは動いていません…。


最後に排気ブレーキ作動時及びコールドスタートONによるバルブ作動時の状態。
「A」対ボディーアース間は相変わらずでしたが、ここで「B」側の電圧が低下してバルブが作動しています。
ただしこの時の「B」対ボディーアースは微妙な電圧差が発生している…。

上記3パターンにて確認した結果から、
「排気バルブの制御は全てECU及びVIMの中で完結している」
という結論を出しました。
つまり、2本ある線の内の片方は実はボディアースへ…ではなく、
2本ともECU/VIMユニットそれぞれの中で「何か」を経由しているという事が想像できました。

ちなみに…排気バルブ線をコネクタから外した状態でエンジン始動させた場合は、
それだけで排気バルブ作動ランプが点滅しエンジンチェックランプが点灯します。(すぐリセットは可能ですが…(苦笑))
つまり、エンジン回転中は常にECU/VIMユニットでバルブに流れる電流値か何かを監視している訳です。
こうなると普通にリレーを接続するのもNGな気がしてきました。

なんだぁ…? 余計に難しい事になってるじゃねーか…(汗

冒頭の、「
※警告※」の意味を理解してもらえたかと思います。
ここまで読んでもよく分からない、と言う方は申し訳ありませんが絶対に真似しないでくださいね…。


〜その2へ〜


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